障害者福祉の制度についてどれほどご存じでしょうか。さまざまな障害者が利用できる制度があるわけですが、利用するにあたって課題がないわけではありません。本記事では、その課題を取り上げていきます。
福祉制度の課題
福祉制度の課題は地方自治体によって広報の仕方や状況が違うので、多種多様だと思います。しかし、一番の課題は、その制度の認知度が低いことだと考えられます。その要因は主に2つです。
- ・制度が複雑なため、自分の欲しい情報にたどり着けない
- ・詳しく知らないため、一部の利用になる
なぜこのような課題が生じるか、詳しく掘り下げていきます。
制度が複雑なため、情報にたどり着けない
福祉制度はさまざまな種類があるため、自分のほしい情報を入手することが難しいように感じられます。相模原市社会福祉協議会のヒアリングによりますと、情報が多すぎてわからない、探せないという当事者の声がありました。
また、わからないことを調べるときはインターネット利用が多いですが、日本オストミー協会によりますと、65歳以上でインターネットの利用者は約15%ほどです。
このような状況のために情報を入手することができず、制度の存在が知られていないのだと考えられます。
詳しく知らないため、一部の利用になる
上記の状況に加えて、自らの抱える障害に対して、どの程度適用されるのか詳しく知らないという課題があります。日本オストミー協会によりますと、6割ほどの人が、洗腸用具及びストーマ用品の給付のことを知らなかったと回答しています。
※13品目とは、日本オストミー協会が厚生労働省に申し入れたためつくられた基準ですが、給付対象になるかは地方自治体によって違います。
まとめ
制度が利用されない課題は、認知度や情報の取得に関して障壁があることです。制度を利用できる人がそれ自体を知らなくては、制度の役割を果たすことができません。
次回以降では、この課題を解決するスマートフォンアプリ「オストメイトなび」を紹介します。
日本オストミー協会「第2回(平成17年度)ストーマケアについての調査報告書:平成17年9月」17P(アクセス:2021/11/3)
相模原市社会福祉協議会「さがみはらみんあいいひとネットワークプラン」(アクセス:2021/11/3)
日本オストミー協会「人工肛門・膀胱造設者の生活と福祉:平成23年3月」12P(アクセス:2021/11/3)