オストメイト関連書籍をご紹介します。
今回ご紹介する書籍は、『続バリアフリー温泉で家族旅行』です。
本書の概要
障害者や年配のかたは、温泉に行くには施設の配慮が必要です。
著者は世界31か国1000か所以上の温泉を巡り温泉コラムニストとして活躍しています。バリアフリー温泉に関して執筆したのは、体が不自由であった妹を「温泉に行くのは絶対に無理」と決めつけて連れて行かなかった後悔があったからです。
そんな理由から本書は、施設がバリアフリー対応しているにとどまらず、ご主人や女将、スタッフがサポートしてくれる気持ちがあるかどうかをひとつの基準にしています。その基準をクリアした全国の28の温泉が紹介されています。
(本書は車椅子障害者向けに書かれており、オストメイトだけに向けられた書籍ではありません)
使い方と特徴
本書の特徴は、ひとつの施設が4ページで解説されていることです。温泉の概要を知ることもでき、実際の入浴をイメージすることにも役立ちます。
前半部
前半の見開きでは、温泉の写真や施設のバリアフリー度、車いす対応の有無などが解説されています。とくに注目すべき点はふたつです。
ひとつは著者のレポートです。実際に利用してみた施設のバリアフリーや施設付近の観光地、スタッフの対応が著者のことばで書かれています。施設や温泉に関する描写は、読者が知りたい情報を的確に示されており、その情景を想起することができます。
もうひとつは湯船の形状メモです。洗い場や湯船の淵、浴槽の深さなどを図解し、高さまで知ることができます。温泉に行く前によりイメージをふくらますことができます。
後半部
後半の見開きでは、施設の写真や周辺の観光地、宿からのひとことメッセージが書かれています。
このページの特徴は、予約前のチェックポイントのリストがあることです。リストは施設・入浴・食事の項目からなり、それらのバリアフリー情報が記載されています。こちらは旅行前に必須の確認事項だと思います。
巻頭特集とお役立ちコラム
温泉施設の紹介のほかにも、役立つ情報が載っています。
巻頭特集では町亜聖と著者との対談記事で、親子とバリアフリー温泉に関して語られています。
お役立ちコラムは、手術あとに配慮した温泉や旅行計画のQ &A、入浴介助、トラベルヘルパーの情報を知ることができます。親が見ても子が見ても、両ページは役に立ちます。
本書のもくじ
- はじめに
- この本の利用方法
- 「巻頭スペシャル対談」町亞聖さん✖️山﨑まゆみ
- お役立ちCOLUMN「バリアフリー温泉へ!」
①傷あとケアに配慮したお宿
②バリアフリーセンターを利用しよう
③トラベルヘルパーを利用しよう
④旅に出かける前に知っておきたいことQ&A - おわりに
※温泉の目次は数が多いため割愛しています。
神奈川県(5施設)と佐賀県(4施設)の温泉が多く紹介されています。
書籍情報(本書記載内容より)
- 発行:2017年11月22日
- 著者:山﨑まゆみ
- 発行所:昭文社