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おすすめ書籍『オストメイトビジネスマン世界を駆ける』(著者:佐々木豊)

オストメイト関連書籍をご紹介します。
今回ご紹介する書籍は、『オストメイトビジネスマン世界を駆ける』です 。

目次

本書の書評

著者がオストメイトになったのは、41歳の働き盛りのときです。がんの宣告をされ、ストーマ造設が必要だと医師に言われます。そこから著者がなにを目標に掲げ、仕事やオストメイトの生活に向き合ってきたかの記録です。本書を貫くテーマとして「変身」ということばが随所に出てきます。働く場所や環境、考え方の変化を追いながら読んでほしいと思います。
また、オストメイトへの理解度の時代背景もあるかもしれませんが、著者が職場には自身のことを公表せずに仕事を続けたこともポイントです。その答えは本書の最後に書いてあります。

本書は3つのパートに分かれています。
第1部は序章と1章で、大腸がんの宣告から手術を経て職場復帰するまでです。
第2部は2~4章で、ふたつの国で会社を立ち上げる場面です。本書のメインパートとなり、オストメイトになった直後に、どう生活と仕事に向き合ってきたかを描きます。
第3部は5章と終章で、自らベンチャー企業を興し、オストメイトとは何かを独白します。

第1部は、体の異変はあるが仕事は忙しいし、自分に滅多なことは起こりうるはずもないという、病気になる前にありがちな考えから病院への診断を先延ばしにするところからはじまります。そして診断後、大腸がんの宣告をされました。手術前に残りの人生を考えることや手術前後の身体の実感や心情は、オストメイトは共感することが、手術前の人は予習となるのではないでしょうか。
ここで著者が大きな衝撃を受けていることは確かですが、医師の話し方への観察や入院後にオストメイトに関する資料を読みふけり、いまの状況でやりたいことを再定義していきます。そして復帰するために洗腸をマスターする場面や「今までどおりなんの不自然さもなく、人々のなかに同化できるはずだ」のことばに受容と改変の姿が見て取れます。

第2部は、ふたつの国で会社の立ち上げや運営をする管理職として描かれています。復帰して3年経ち、ストーマ装具の交換など、オストメイトの生活様式に慣れたころに海外赴任の話が出てきます。
はじめはアメリカのシリコンバレーに副社長として立ち上げを行いました。アメリカではオストメイトが海にいてもお腹に目立つ傷があるのか程度しか思っていないそうです。また、インターネット上の交流も盛んで、異常に明るい人たちに驚愕し、次のように述べました。

このことが、私自身に、これからの人生、オストメイトとして徹底的に明るく前向きに生きていこうという気持ちを強くいだかせる要因となったかもしれない

1回目の会社の立ち上げは成功と言えませんでしたが、マネジメントの重要さに気づきます。後の起業のファクターになったのは間違いないでしょう。そして仕事だけでなく家族との交流も著者を構成する重要な場面だと思います。

そして帰国命令後、つぎはシンガポールへと渡ります。人種が多種多様な国であり価値観の広さからか、疾患のエピソードはあまりなく、それゆえに気にせず仕事に打ち込んでいることが伺えます。

第3部では、退職に至るまでと自ら起業について書かれており、いままでのまとめとなります。アメリカにいた際に海外での起業は意識の片隅にありましたが、帰国後の配属の関係によりその思いが顕著になりました。そこにはオストメイトである不安はありません。起業から会社を軌道に乗せるまでの話は、テクノロジー系の起業のロールモデルともなるでしょう。
そしてオストメイトだった自分を振り返ります。意志さえ持てば、健常者との違いはなく、むしろ成果を残すことができると。

さいごまで読むと、著者はオストメイトにならなくても成功しただろうとも感じるかたもいるかもしれませんが、私はそうは思いません。ハンディキャップを抱えても、意志さえあればやりとげることができる。そんなオストメイト賛歌の一冊だと感じました。

本書のもくじ

  • 序章 思ってもみなかった究極の選択
  • 第一章 オストメイトに変身!
  • 第二章 職場復帰完了!
  • 第三章 オストメイト、シリコンバレーへ
  • 第四章 オストメイト、熱風国へ赴任となる
  • 第五章 オストメイト、独立しました!
  • 終章 オストメイトビジネスマンに変身したのなら
  • 付録 働くオストメイトのノウハウ集

書籍情報(本書記載内容より)

  • 発行:2014年10月24日
  • 著者:佐々木 豊
  • 発行所:WAVE出版

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この記事を書いた人

ライター//元広告の営業職/NPOの発足から携わって8年目。みなさまの意見が日々の糧になります。

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