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一時ストーマになってわかったこと——日本オストミー協会 愛知県支部 三富彰太×エムアクト 神戸翼【後半】

現在の生活が変わってしまうことが突然起こります。後戻りはできず、適応していくことが求められます。それは永久ストーマも一時ストーマも同じなのかもしれません。

前半では日本オストミー協会 愛知県支部の三富彰太さんに、一時ストーマを造設するきっかけから閉鎖後の一変した生活に関してまでお伺いしました。
後半は、患者会の活動やノルディックウォーキング、一時ストーマだったときのストーマ装具、オストメイトになって得られたことなど具体的なお話をお伺いしました。

インタビューの前半はこちら

目次

日常生活について

患者会の活動

患者会の活動——私も2040フォーカスグループの活動などでお世話になっていますが——のお話をお聞きしたいと思います。

※2040フォーカスグループ:60歳までのオストメイトの活動グループ

患者会の活動ですが、直近では10月3日のワールドオストミーデイなどの活動をしています。今回はコロナ禍で集まるのが難しいと考え、オンラインで開催いたしました。
 
2040の説明をしますと、日本オストミー協会は各都道府県に支部を設けています(僕は愛知県支部に入り活動しています)。その各支部の20~59歳を現役世代としまして、2040のグループを作っています。現在10名ほどで活動をし、年に1回集まり本年度の企画などを立てています。
現状ではLINEやズームなどのオンラインを活用して「オストメイトのために何ができるか」を考え活動をしています。

ありがとうございます。ちなみに2040の活動に参加したい場合、どのような手順で参加することができますか。

オストミー協会の入会手続きをいただき、年齢が60歳未満の方には、各支部から2040の案内を発送しています。または、直接2040にご連絡いただければ、ご案内も可能です。
興味のある方は、ぜひぜひ一緒に活動していきましょう。

オストメイトは高齢者の方が多いので、2040のような若い方は貴重だと思います。もちろん高齢者で活動的な方は多いのですが、若い方で積極的に活動したいという方は、ぜひご連絡いただけるといいですね。

運動

運動のお話をお聞きしたいと思います。ワールドオストミーデイでもお話しされたノルディックウォーキングのことも含めてお願いします。

退院後、運動に関して看護師さんに「できるだけ体を動かしてください」と言われます。ただ体力が落ちているので、簡単に動けないんです。
またオストメイトは、手術直後で装具交換が不慣れな状態での外出は不安が大きいと思います。
 
僕がノルディックウォーキングに出会ったのは石川県で3年前に行われた若いオストメイトの会——それこそ2040が主になって開催していた会——で、福井大学の先生が紹介してくださったんです。

ノルディックウォーキングは、スキーのストックの先がゴムになっていて、それを使って歩くというだけなんですが。

先っぽがゴムになっているのでクッションになり、膝腰への負担が軽減できます。普通に歩くのよりもポールを着けて歩くことによって上半身も動かしているので、通常よりエネルギー消費量が20~30%高くなります。ポールを両手に持っているので常に3点支持になっていて、転倒防止に繋がりバランス感覚も良くなります。

その話を聞いて良いなと思い、富山県の会に参加しました。そしたら翌日に腹筋がすぐ筋肉痛になりました。
普段歩くだけなら、腹筋って筋肉痛にならないよなと。よくよく考えたら、ポールを持って上半身をねじって腹筋を使っていたんだと気づき、他の人に勧めたいと思いました。そしてどうせなら教えたいと思い、資格を取りました。
 
いま富山県にある環水公園——世界一美しい?スターバックスがあるともメディアで取り上げられた——で、月2回指導員として歩くという活動をしています。

私も個人的にノルディックウォーキングに興味を持っていて、一回やってみたいと思っています。

ありがとうございます、ぜひぜひ!

このポールだけでいつでもできるので。僕も車の中にポールを入れておいて、海岸沿いなどで取り出して歩いたりしています。
あと、ポールを使ったストレッチもそれだけでも気持ちいいですよ。毎朝ポールを持ってストレッチをしています。ただ知らない人が見ると、ちょっとおかしな感じに見えるかもしれません笑

確かにポールを両手に持って歩いている光景は、日本で見ないかもしれません。私もヘルスケア関係で勉強していて思ったのですが、ヨーロッパ方面の国ではよくありますよね。最初、ノルディックウォーキングは山から始まったと聞きましたが。

おっしゃる通りです。僕が聞いた話だと、クロスカントリーのスキーですね。夏場の雪がないときのトレーニング用として開発したそうです。フィンランドが発祥だそうで、ポール自体も着く位置によって運動量を調節することができます。
前方は運動量が少なく、後ろの方へ付けば負荷がかかってスピードが出やすくなります。そういった場合は、トレーニングとしてプロのアスリートも取り入れているそうです。
 
ポールを2本だけでリハビリからプロのトレーニングまでできるということで、中々奥が深いと思っています。自治体で健康増進を図るため、富山市の場合は3か所ポールの無料貸し出しがされています。

無料でレンタルされているのは画期的ですね。

富山市内歩いていると、ポールを持っている方をよく見かけます。そういう方が増えればポールを持つ抵抗もなくなると思います。
「運動や外出は難しい」という方には、外に一歩出るきかっけになればいいなと思い、活動しています。

ありがとうございます。
ぜひぜひ、オストメイト向けのノルディックウォーキングの講座など開いていただけたらと思います。

装具などのお話

ストーマ造設時の装具のお話

次は装具のお話です。
一時ストーマということなので、ストーマ造設時のお話をお聞きしたいと思います。

オストメイトになった当初、ストーマ装具の種類や特徴、メーカーのことはあまり知らず、WOCナース(皮膚・排泄ケア認定看護師)さんのおすすめを使っていました。
そのときはメーカーさんによって肌や感触が合う合わないがあり、3社ほど使い分けていました。最初の装具は発疹が出たり肌が荒れたりしました。

そして、この仕事に就いて装具の種類の豊富さを知りました。当事者からしても種類が豊富なのは嬉しいと思います。しかし僕自身肌のトラブルがあったので、装具を変えたいとお話をいただいた場合、手術をした病院のWOCナースさんなどに相談した上で検討した方がいいとお話ししています。
取り返しのつかない何かがあることも想定されますので。仕事を通してそのようなことを思ったりします。

販売店からの目線を踏まえてお話しいただき、とても有益な情報だったのではと思います。ちなみにいままで使ってきた装具を変えるとは、どういった感じですか。

装具に関しては、入院中はWOCナースさんがサポートをし、退院されたら私たち販売業者とのやりとりになります。
ほとんどの方は退院までに装具が決まります。そして日本人だからなのか、新しいものを使うという行動には中々動かないです。これと決められたらそのまま使うという方が多いようです。

ただ、退院後で痩せたり太ったりして体形が変わったり、食生活が変わったり、ストーマの形状が変わったりと装具が決定した時点と状況が変わることが多々あります。
また、少し肌トラブルで困り事があったときにもご連絡があります。
ただ、実際には医療従事者の方に相談していただくよう促しています。結局私たちは販売はするのですが、医療従事者ではないので、そこは線引きとなっていると思います。僕の所感ではありますが、トラブルがあったときに変えることが多いと思います。

災害と装具

ありがとうございます。これまでの販売店の経験を踏まえて災害と装具に関してお聞きしたいと思います。

一時ストーマの経験を踏まえてお話しすると、やはり装具がなくなることの不安がいちばん怖いです。装具がなくなるとどうしていいかわからない。
販売店として体験したのは、富山県が大雪になったときです。従来はご注文いただいたら運送会社さんに発送してもらいます。ただその時は、装具を引き取り終わった運送会社さんが動けなくなってしまったんです。運送会社さんのもとに取りに行くこともできませんでした。お客さんのところに届いたのは1週間後になりました。

なので、皆さんに最初にお話しさせてもらうときには「2週間から1か月分はお手元に持っておいてください」と言います。「この時期の災害や長期連休は通常より時間がかかる場合があるので困らないように」と。「災害はいつも以上に不安で、さらに家族も心配する」とお伝えしています。

日本は災害大国なので、いつ何が起こるかわからないですよね。なので、備えないといけないということだと思います。
装具の保管に関しては、支部単位で活動もはじまっていますし、自治体でも装具を保管してくれるところもあります。

そうですね、僕の所属している愛知県でも自治体の保有する備蓄倉庫に保管——各自治体でルールは違いますが——できたりします。1年経ったら中身を交換するなど、増えてきています。

オストメイトになって得られたもの

装具のお話はこのあたりにしまして、オストメイトになって得られたことをお聞きしたいと思います。

オストメイトになったからこそ得られたものは多いです。なったからこそ出会えた人も多いです。やりたいことが仕事に出来ていますので、仕事もそうだと思います。

いちばんは、考え方がすごい変わりました。
入院前までは杖や車いすを使っている方をかわいそうな方だと思っていたんです。不便だなと思い、上から目線でお手伝いしましょうかと。
 
入院時に前向きな方にお会いしました。歩くのに時間が掛かり、モノをつかみながら歩いていました。それが歩行器になり、車いすになっていました。自分の置かれた現状をあるがままに受け入れて、自分ができることを考えてやられてた方だったんです。
その方を見てお話しした後は「自分の意志でやりたいようにやっているんだな」と思うようになりました。明らかに困っている場合を除いて声をかけなくなったんです。モノの考え方が変わりました。

それ以外にも、前なら体調が悪いと引きこもっていたのが、いまは休みになると「とりあえず外に出よう」とか、「いろんな人と出会っていろんな人と話をしよう」という考えになりました。それは自分がオストメイトになったからできた考えです。
なので、これからもいろんな人と出会っていろんな人とお話をして、お役に立てることをやっていければと思わせてくれたのもそうです。

今後やりたいこと・夢

続けて、今後やりたいことや夢というテーマでお話をお聞きしたいと思います。

一時ストーマの方とお話しする機会があまりないんですね。少しするとストーマではなくなるということで隠している方が多いのではないかと思います。ただ、便障害だとか、睡眠障害などで、中々カミングアウトできずに困っている方や戻した後も悩まれている方は実は多いんです。
一時ストーマの方たちで集まって患者会じゃないんですけど、ウロ・イレ・コロの方がお話ししている普段の悩みごとを、一時ストーマの方でもやれないかなと思っています。それがいまやりたいこと、夢ですかね。

ありがとうございます。
それこそ永久ストーマは障害者手帳もありますし、人数を把握することもできますが、一時ストーマは閉じてしまったらその後わからなくなります。一時ストーマで悩んでる人が一時ストーマだった人を探すというのは、確かに難しいのかもしれませんね。

やはり自分から言わないと、伝わらないしわからないので、そういうところがありますね。
あ、あと「夢」のところで「障害者」ということばを無くしたいなと思います。結局障害者って、障害者じゃない人が決めつけて当てはめていると思います。障害者という固定概念を無くしたいと。不都合や不具合はあると思いますが、生きているのは一緒なので。そういう障害というものを取り除きたいです。

それはおおきな夢ですね!

ですね、なのでこれは夢なんです!笑

オストメイトの仲間へのメッセージ

最後の質問です。オストメイトの仲間へのメッセージをお願いします。

オストメイトになったとき、周りにそういう話をできませんでした。全く知らなくて、ひとりで悩んで落ち込んでいました。
なので、これからオストメイトになる方、なったばかりの方には、ストーマの生活を知ってもらえるように、そんなに悩まなくてもいいよ、というような環境ができればいいなぁと思っています。

もし身近に、オストメイトにこれからなる方やなったばかりの方がいたら、僕なんかでも、他のオストメイトの方でも、こんなオストメイトがいると「知る」だけでも違うと思います。そういったこともできるような活動をしたいと思います。自分が体験したことを他の人がしなくていいようにしたいです。

公開インタビュー撮影会は月に1回を予定しております。お話しても良いという方はご連絡いただけると幸いです(自薦・他薦大歓迎です)。
メールアドレス:info@m-akt-jp

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この記事を書いた人

ライター//元広告の営業職/NPOの発足から携わって8年目。みなさまの意見が日々の糧になります。

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