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内部障害者マークであるハートプラスマークを知っていますか?

先日、内部障害への理解や認知度を広げるために「NPO法人ハート・プラス」が制作した「内部障害って何だろう」というDVDを見ました。オストメイトをはじめ、内部障害者は外見は健常者と同じように見えるため、さまざまな補助を受けることが難しい課題があります。そのことをわかりやすく解説していたのでご紹介します。

目次

内部障害とは

内部障害者は、外見は健常者と同じように見えますが体の中に病気を抱えているために、日常生活において体調や食事、体を動かせる範囲などに制限があります。

出典:NPO法人 ハート・プラスの会「内部障害って何だろう」DVD

内部障害者の人数は、50年前は6万人ほどであったのに対して現在は約124万人に増加しており、身体障害者数の約3割を占めています。

内部障害は7種類にわけられる

出典:NPO法人 ハート・プラスの会「内部障害って何だろう」DVD

内部障害は7種類にわけられ、以下のような特徴を持っています。

  • 心臓機能障害…少し動いただけで動悸や息切れを起こします。激しい運動ができません。
  • 呼吸器機能障害…肺が悪いため、息切れが起こりやすいです。風邪に掛かりやすく治りにくいです。また、重い荷物を持つことができません。
  • 腎臓機能障害…体内の浄化機能が低下しているので、そのままにすると大変危険な状態です。
  • ぼうこう・直腸機能障害…がんや難治性の消化器疾患などが原因で、排泄機能に障害を持ちます。
  • 小腸機能障害…クローン病や小腸閉塞の症状が出ます。トイレに行く回数が多くなったり、食事に制限があります。
  • HIVによる免疫機能障害…体を防御する免疫機能が弱いため、体調を崩しやすくなります。
  • 肝臓機能障害…体の毒素を取り除く機能が弱いため、体調が悪化しやすくなります。

内部障害者が日常生活で困っていること

生活の補助を受けづらいことが内部障害者の問題です。
たとえば、心臓機能障害を持っている方は、症状によっては立つことも辛いため、電車内で優先席に座ることがあります。年配者の利用は認知されていますが、内部障害者の方が利用していることを知る人は多くありません。そのため注意をされたり、咎められた目線を感じるため、利用できずに体調を崩してしまうことも多いようです。

その他に、障害者向けの駐車スペースやエレベーター、多目的トイレの利用に関しても同様の状況が起こっています。

当事者のお話

完全大血管転位症の猪俣さん

猪俣さんは「完全大血管転位症」という、心臓と肺の血管が入れ替わっているため酸素が身体全体に行き渡らない障害を抱えています。幼少のころに発症し、5分歩いただけで息切れを起こすために小学生のときは、50メートル先の学校まで送り迎えをしてもらっていたそうです。
学生時代で大切にしたことは、自分の障害を先生や友人に伝えることでした。やれることとやれないことを周囲の人に理解してもらい、生活のサポートを受けることができました。また、できることには積極的に参加をしていました。

現在は結婚してお子さんが2人いるそうです。大人になった今でも症状は続いているため、病気のことを伝える手間は惜しみません(絵に書いて伝えています)。「伝えることはすごいエネルギーを使いますが、自分で言うしかない」と猪俣さんは言います。また、認知のされ方としてヘルプマークやハート・プラスのマークを付けることをおすすめしています。

クローン病の野口さん

動画内の野口さんはとても明るい方で、内部障害を持っているとはわかりませんでしたが、12歳のときにクローン病を発病しています。消化器全般に炎症が起こるため、酷いときだと5分に1回の割合でトイレに行くことがあるそうです。また、食事制限として繊維が多い生野菜や油分が多い揚げ物などは控えなければなりません。

一番辛かったのは高校生の時期で、夜中体が痛かったり、電車に乗っているのが辛く授業も頭に入らなかったりしたそうです。また、いつお腹が痛くなるかわからないため、1度トイレにいったらトイレにこもったり、保健室で一日中過ごしたこともありました。

そんな野口さんも猪俣さんと同じく、自身の症状を友人や先生に伝え、サポートを受けていたそうです。同じ障害を持つ方に伝えたいことは、自分の症状を伝えることです。そのために同じ症状を持つ人たちと、クローン病のことや自身の状態を冊子にして伝えられるようにしました。

内部疾患を伝えるひとつのツール

NPO法人 IBOネットワークのWEBページ内にある「教職員向け CDガイドブック」(1.0M)」にPDFファイル「内部疾患って何だろう」という野口さんのインタビューで登場した冊子があります。このようなツールを使うことも、障害を上手く伝える手段だと思います。

出典:NPO法人 IBOネットワーク「患者さん向け資料」

ハート・プラスマークとは

ヘルプマークや車いすマークは、義足や人工関節、難病、または妊娠者などが利用しており、障害者の見た目ととマークのイメージが一致しています。当事者とマーク間に理解の祖語はあまり生じないため、補助や気遣いを求めやすいです。もちろんヘルプマークは内部障害者も使えますが、見ただけでは健常者と変わらないため優先席や車いすマークの駐車場を利用していると、誤解されることも少なくありません。

そこで「NPO法人のハート・プラスの会」は内部障害者の理解を得やすいよう、「ハート・プラスマーク」を考案しました。
ハート・プラスマークとは、身体内部に障害を持つ人を表し、周囲の理解度の向上や配慮を伝えるためのツールとして使われています。ヘルプマークと同じように「ハート・プラスマーク」というカードがありますので、配布については自治体にお問い合わせ下さい。

NPO法人のハート・プラスの会とは

マークを作成した「NPO法人のハート・プラスの会」では、ハート・プラスマークの普及や社会的理解の促進をはじめ、内部障害者が生活しやすいよう多くの活動を行っています。
オストメイトのサポートを行う弊団体と同様に、内部障害者のため勢力的に普及活動をしている「NPO法人のハート・プラスの会」を嬉しく思います。今後とも応援していきたいと思います。

さいごに

内部障害に限らず、病気や障害は一見するとわからないものが多いです。社会における理解度を促進するとともに、能動的に他の人に「伝える」ことが重要だと感じました。
オストメイトも内部疾患のひとつ当たり、改めて内部疾患とはどう理解されているか考えるきっかけになりました。猪俣さんが言うように、自分のことを周囲に伝えることはエネルギーを使いますが、共生していく上で大事なことだと思います。
動画について気になった方は、ぜひNPO法人 ハート・プラスの会「内部障害って何だろう」DVDを見てみて下さい。

出典:NPO法人 ハート・プラスの会「ホームページ」

   NPO法人 ハート・プラスの会「内部障害って何だろう」DVD

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