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各国のパラ・アスリート 「障害者手帳」って持っている?

 先日、あるニュースが目に留まりました。内部障害(内部障害には心臓機能障害、腎臓機能障害、呼吸器機能障害、膀胱・直腸機能障害、小腸機能障害、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)による免疫機能障害、肝臓機能障害の計7障害がある)をもった男性が、路線バスの乗車時に障害者手帳ではなく、スマートフォンの障害者手帳アプリを提示したところ、乗車拒否にあったというニュースでした。「運転手の認識不足だった」として事業者側が男性に謝罪したという記事の内容でしたが、私もこのアプリを知りませんでした。このアプリについては後述させていただきますが、このニュースを知った日にパリ2024パラリンピック競技大会が始まりました。

目次

パリ2024パラリンピック競技大会が閉会

 2024年8月28日に開催され12日間の大会期間を終えた、「パリ2024パラリンピック競技大会」。実施された競技はオリンピックより多い549種目(22競技)で、史上最多の168の国と地域、それに難民選手団からおよそ4400人が参加しました。日本からは海外開催のパラリンピックでは史上最多となる175選手が参加し、日本勢のメダル獲得数は金14、銀10、銅17で、金メダルは前回東京大会の13個を上回りました。日本選手の活躍の詳細については下記のリンク先の記事を是非ご覧ください。

 ところで、これだけ多くの国や地域から集まったパラアスリートたち。果たして「障害者手帳」のようなものは持っているのでしょうか。あるいは手帳の代わりになるようなものがあるのでしょうか。

 

手帳の代わりにスマホアプリ

 冒頭でご紹介した障害者手帳アプリとは「ミライロID」。民間企業が開発して2019年に提供が始まり、今では交通機関や娯楽施設、自治体の施設など官民の全国4000事業者で利用できます。障害者手帳を持ち歩く必要がなく、登録する障害当事者は30万人を超え、「2022年度グッドデザイン賞」を受賞しています。

「ミライロID」の特徴には、次のようなものがあります。①飲食店やレジャー施設などでお得に使える電子クーポンの提供 ②障害者割引が適用された金額で購入できるオンラインチケットの販売 ③障害種別に応じた生活に役立つ情報のお届け ④必要なサポートや車椅子のサイズなどの登録で窓口での伝達をスムーズに

「ミライロID」のアプリをスマートフォンにダウンロードしてから、お手持ちの障害者手帳を撮影し登録することで、簡単にこのアプリを使用することができます。

障害者手帳は万国共通にあらず

 世界各国に障害者手帳はあるのか、手帳ではないとしたらどのようなものがあるのか、についての情報をなかなか見つけることが出来ませんでした。以下に引用した情報は最近のものではありませんが、障害者手帳はない国や、障害者手帳に近いものがある国などさまざまであることが分かりました。

以下

諸外国の障害者手帳に関する調査結果より抜粋

平成10〜11年度 厚生科学研究障害福祉総合研究事業

Screenshot

音声動画で「第9回オストメイト生活実態基本調査報告書」の内容を知りたい方はこちらから

さいごに

 いろいろと調べていくと各国の社会福祉制度や支援のあり方は実に多様で、どこかの国の制度が進んでいるという印象は持ちませんでした。障害の程度を等級としてどう区別するか、も難しいでしょうし、支援に必要な物もそれぞれ違うでしょうし、就労を希望する人、施設ではなく自宅でのサポートを希望する人もいるでしょう。手帳であれ、カードであれ、スマホアプリであれ、まずは様々なサポートを必要としている人がいることに関心を持ち続け、自分とは関係ないと思わず、こうした情報に関心を寄せていくことだとあらためて感じました。なお、この記事での「障害者」の「害」の表記は、その人自身に「障害」があるのではなく、社会の側にある「障害」と向き合っている人たち、という考え方に共感し、使用させていただきました。

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