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「オストメイトの課題をITで解決したい」──エムアクト 神戸翼【前半】~オストメイトなびの原点

「オストメイトに関する情報はあまりにも少ない」。オストメイト対応トイレの場所を探すのも苦労するのが現状です。
インターネットが発達しても、状況はあまり変わっていない。そう感じられる方も多いのではないでしょうか?

NPO法人エムアクトは「IT×医療×患者本意」という考えのもと、医療の質の向上と患者のQOL(生活の質)の向上に寄与する活動を行っています。
そんな団体の代表である神戸が、ITでオストメイトの課題を解決するアプリ「オスメイトなび」の誕生の経緯とメンバーについてお話します。

目次

オストメイトなびを開発した経緯

みなさんはオストメイトなびというアプリを使ったことはあるでしょうか。オストメイトに特化したアプリは大きくわけていくつかありますが、一番最初にリリースされたアプリが「オストメイトなび」であり、私たちNPO法人エムアクトが運営・開発をしています。
まず最初にオストメイトなびの開発に至った経緯から入っていこうと思います。

ここでハッカソンということばを知っていますでしょうか。ハック×マラソンの造語で、ある一定の期間中にひとつのサービスをマラソンかのようにつくってしまうイベントをハッカソンと言います。
このようなイベントが行われていまして、そのイベントでたまたま集まった学生が作り上げたのが「オストメイトなび」の原型です。

もともとは2014年8月24日に日本マイクロソフト社で行われた医療アプリコンテストからはじまりました。オーディエンスは300人ほどいるなかで、大学生・大学院生が医療や介護・福祉領域の課題をITを使い解決する事業・サービスをつくろうというイベントでした。
いま2021年ですので、もう6年近く経つんですね。そのぐらい前に活動がはじまったのです。

そのときのイベントはおもしろい形で行われていました。学生さんでも医療系や美術系、工学系、経営系、いろんな学部の学生さんを集めまして、医療や介護・福祉の課題を解決しようというチームを組みました。
そのチームで約1か月間いろいろ調査をしたり、当事者にインタビューをしたり、アプリのデザインをしたりしました。さらにプログラミングをして、ひとつのプロダクトをつくったのです。最終的にヘルスケアの領域のいろんな企業の社長さんの前でプレゼンをして評価をいただくという形で行われていきました。

私が大学院生のときに参加したチームは、ひとつひとつトイレを周って写真をとって、そのデータをアプリに組み込みました。デザインも美術系の学生メンバーがいたので、アイコンやトップページをつくって地図にはこういう風に表示させようとプロダクトをつくっていきます。
その1ヶ月ほどで作ったアプリですが、最初はこんな形でした。いまダウンロードして使ってれているかたは、かなり違うのがわかっていただけると思います。当時はここまで作り上げて、実際に動くようにしたというのが最初になります。アイコンも4種類、オストメイト対応トイレ、トイレの荷物置き、シャワー機能があるというようにわけて表示させていきました。

オストメイトなびはこのようにはじまりました。2014年にオストメイトなびの活動をはじめて約260日くらいでアプリをリリースして、さらに100日後には資金調達をするためにクラウドファンディングを行いました。そこから500日後ほどに法人化して、オストメイトなびという活動を本格化し、そんな形でこのプロジェクトが進んで行きます。

共同代表の関口君やNPOメンバーとの出会い

共同代表の関口君と、その他のメンバーとの出会いについてお話ししようと思います。
関口君と出会ったのは活動をはじめて56日後ぐらいですかね。最初からメンバーだったわけではありませんでした。オストミー協会の神奈川支部に相談に行ったとき「この活動に参加できる若い方はいませんか」とお伺いをしました。
「大学院生で患者会や障害者団体などのオストメイトの活動をとても活発にしている子がいるよ」と紹介をいだいて、そこで関口君に出会ったのです。

関口君と私は、キャンパスは違ったのですが同じ大学で、そちらに伺ったのが最初になります。そこで意気投合して「この活動をもっと盛り上げていこう」とふたりで共同代表になり、オストメイトなびを広げていきます。
一番最初に行ったのがクラウドファンディングです。いろいろ大変だったんですが、ふたりでいろいろなところに働きかけをしてなんとか144万円が集まって、オストメイトなびをさらに開発できるようになりました。

いまは20人を超えるメンバーがオストメイトなびのプロジェクトに関わっています。もちろんオストメイト本人もいますし、まったくオストメイトと関係ないかたもいます。少し話を聞いてみようと思います。
アプリコンテストから参加しているメンバーがいるんですが、松下くんといいまして、この活動に6年ほど前から参加しています。
この活動に参加する目的はなんだったんですか。

そうですね、アプリコンテストに参加したことがきっかけです。なので最初からオストメイトのアプリをつくろうとしたのではなくて、医療でなにかITやろうというモチベーションで参加していました。まさか自分も神戸さんと一緒にここまで長くやることは想像してなくてというのがはじまりでしたね。

そうですね。松下くんとはいまもよくご飯に行くんですが、じつは一番最初に活動していたメンバーの一部は何人かはすでに抜けて、自分の道を進んでいます。松下くんはいまも活動をやっている貴重なメンバーのひとりになっています。
 
次にご紹介するのは浅野さんです。浅野さんは私と大学院の同期でして、そのときから参加しているメンバーです。NPO法人エムアクトの事務局長もしていますので、当時参加した経緯も含めてひとこと聞きたいのですが、浅野さんいかがでしょうか。

神戸さんがコンテストに出たというのは傍目で聴いていました。おもしろそうなことをやっているなと当時学生のころ見ていたんだけど「しっかりNPOとして立ち上げたい」という話を聞いて「一緒にどうですか」と、そのとき誘ってもらいました。いままで経験はなかったけれどもおもしろそうだと思って、一緒にできることはお手伝いしようかと思って参加しました。

お互いに医療やヘルスケアの分野に興味を持っていて、その中で一緒にできないかと思ったのでお声掛けをさせていただきました。
少し後から入ってきたのですが、女性のメンバーもいます。せっかくですのでお話を聞いてみたいと思います。牧野さん少しお話できますか。

はい。私は医薬品開発の仕事をしていまして、データなど見ていたんですけど、患者さんと近いものは経験したことがなかったので参加しました。
いまは開発チームで修行中です。治療に直接関連するのではないけれども、患者さんが毎日を過ごすうえで大事な位置づけであるアプリに触れることができましたし、どのような情報が必要なのかっていうのを知ることができてすごく良かったです。
YouTube企画でも実際患者さんの声を聞いているので、患者さんにちょっと近くなったかなという気がしていてすごくありがたいと思っています。

みなさん、ありがとうございます。ここでは紹介しきれないのですが、エムアクトには多彩なメンバーが参加しています。ただ、みんなが本業を持っているので、完全にみんなボランティアで参加しています。さまざまなところでお手伝いをしていただく形で運営をしています。

NPOとして活動していくことの難しさ

みなさんNPOの活動のイメージがあると思いますが、このNPOも例にもれずですね、悪戦苦闘しながらやっています。
そのなかでいくつかのキーワードがあり、その1つが仲間集めです。

仲間集め

「こんな未来や理想を作りたい」というところで仲間集めていくんですが、応募がこなかったり、思ったようなメンバーが集まってこなかったりという課題があります。我々のNPOでは、NPOがメンバー募集をできる求人サイトを活用してメンバーを集めています。そちらで最近増えていますね。
NPOは体を動かして行うような活動が多いかもしれませんが、このエムアクトで行なっているNPO活動の特徴は、場所を選ばないでパソコンに向かうような活動が多いことです。

どういうことかと言うと、たとえばアプリを開発したり、デザインを考えたり、新しく始めたYouTube動画の編集をしたり、場所を選ばずにパソコンを使ってという活動が増えています。ちょっと違った視点のコミットができる団体ということで、さまざまなかたに応募していただけています。

アプリ開発の維持

エムアクトはアプリの開発・運営をしているのですが、アプリは一度開発したら維持し続けなければならない仕事があります。
途中でエラーが出てしまったり動かなくなったり、サーバーがいきなり止まったり、さまざまなことが起こったりします。それらを含めてメンテナンスの必要がありますので、少し難しい面もあるのかなと思います。

アプリの開発にはスキル、お金もかかったりするんですね。
開発に携わっている小坂君というリーダーがいるので、少し話を聞いていこうと思います。出会いは結構特殊だったので、もしよかったら小坂くんから話をしてもらってもいいですか。

えっとですね、神戸さんと出会ったのは日本国内ではなくて、あれは台湾ですよね。台湾の高雄という南の都市に海外旅行に行ってまして。さらにその南にある水族館に遊びに行ったときに、バス停で神戸さんが待っていまして。そこでタクシーの運ちゃんが「あいつ日本から来てるから声かけてみろよ」と。それで声をかけたら日本人だったと。あと、神戸さんも私も関東に住んでいるので、日本で会えるねと言う話をしまして。日本に帰ったあと、この活動に参加させてもらってます。
台湾にいるとき神戸さんからは「こういうアプリを開発してるんだけどエンジニアが足りない」という話を聞いて、自分のスキルアップも兼ねて活動に参加してみたいなという。日本に帰ってから参加しているという、こんな感じかなと思います。

ありがとうございます。本当に偶然といいますか、しかも台湾も結構広くて、その台湾のなかでもかなりレアな場所でたまたま出会ったという所ですね。そして、小坂くんがエンジニアをやっているとの話を聞いて私としては「ピン!」ときたといいますか、ついついNPOの話もしてしまったのです。
 
そんな経緯があって、小坂君にはエンジニアとして、このアプリの開発のリーダーをお願いしています。
いまスマホのアプリとしてiPhone版とandroid版があるんですけど、両方見ていただいて、あとサーバーまわりですね。アプリのサーバー開発も結構重要なんですけど、そこも見ていただいています。そんな形でこのアプリは日々維持されて、さらに新しい機能を追加するときには、開発のメンバーや開発に普段携わってないメンバーも含めて、どんなものをつくっていくかを協議しながら運営をしています。

関係団体との協働

オストメイトなびのアプリとして、さまざまな団体と関わっています。やはり、1番大きいのはオストミー協会さんです。たとえば、どのタイミングで相談会を行われているかとか、トイレの情報を集めていただいたりとか、いろいろな協働をしています。また、メーカーさんも一緒に協働して、機能の追加などを行っています。
なので自分たちの団体だけで、決してNPOの活動ができないなというのが、大きなポイントだと感じています。


前半はここまでです。
後半は、オストメイトの現状と課題、NPO法人エムアクトの今後の活動についてお届けします。

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この記事を書いた人

ライター//元広告の営業職/NPOの発足から携わって8年目。みなさまの意見が日々の糧になります。

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