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絵本で学ぼう!「ストーマパウチ」

 オストメイトに対する理解を深めるためには、自らがオストメイトにならないと目に触れる機会の少ない、ストーマ装具やストーマケアについて知ることが必要になるでしょう。また、家族の間で、そして公共施設などの場で、若い世代や子供たちにもオストメイトへの理解がある方が、オストメイトにとって暮らしやすい社会と言えそうです。ストーマやストーマ装具について書かれた絵本があることを知り、とても興味を持ちました。オンライン購入した絵本を手にとりながら、今回はこの絵本についてレポートします。

目次

「ストーマパウチってなんだろう?」

 この絵本は2023年2月7日に第1刷が発行された、「からだとはたらくどうぐたちシリーズ」の「ストーマパウチってなんだろう?」です。目次には「大腸ってなに?」「ストーマってなに?」「ストーマパウチってなに?」「びょういんではなにをするの?」「ストーマパウチはどうやってとりかえるの?」(原文ママ)などの言葉が並び、漢字にはふりがながふってあります。この絵本の作者はハリエット・ブランドルさんで、日本語版として発行されたものを購入しました。作者は子供の本の著者で、科学、医学、食べ物など、さまざまなテーマでノンフィクションの本を書いているそうです。医師による日本語版解説として「服のかげに、ストーマパウチ」というページもあります。

大腸の「だいちゃん」

 子供が読んでも分かりやすいようにイラストが多用され、大腸の「だいちゃん」というキャラクターが体の中の「消化器系」やストーマの解説をしてくれます。鮮やかな色合いで目と口が描かれた親しみやすいキャラクターの「だいちゃん」。吹き出しに書かれたセリフも優しく、例えばストーマパウチの「なかみのだしかた」(原文ママ)のページではこんな風に語りかけます。

「さいしょは、しっぱいしても いいの。そのうち、じょうずにできるようになる!」

ストーマパウチの「トーヤン」

 ストーマから排出される便をためるストーマ装具のひとつ「ストーマパウチ」のキャラクターは「トーヤン」。服を着ればほかの人には分からないことや、ストーマケアでは「ひふを きずつけないよう、つけている パウチを、ゆっくり やさしく はがすんだ。」(原文ママ)と大事なことを伝えてくれます。1〜4日ぐらいで新しいパウチと交換することや、中身が漏れてしまった時にも交換の必要性があること、造設したストーマを閉じることもある、などの解説も重要だと感じました。

だいちゃん「いつもありがとう、トーヤン」

トーヤン「やくにたてて うれしいよ」

音声動画で「第9回オストメイト生活実態基本調査報告書」の内容を知りたい方はこちらから

絵本の大きな可能性

 この「からだとはたらくどうぐたちシリーズ」にはさまざまなタイトルの本があります。「車いすにのったら どうなるの?」「義肢をつけたら どうなるの?」「ペースメーカーって なんだろう?」「インスリン注射って なんだろう?」などなど。私自身も、もし子供に尋ねられたら、うまく答えられるだろうか、と少し考えてしまいます。巻尾に記された「からだとはたらく どうぐたち」シリーズについて総合監修の大学教授のコメントの一部をご紹介します。

 車いすやメガネなどは、「はたらく」ところが見えますが、外から見えなかったり、使う場面を見かけづらかったりする「どうぐ」もあります。ペースメーカーや吸入器のような「見えないところで はたらく どうぐたち」です。見えなくても、とても大切な「はたらき」をしています。どんな「どうぐ」があって、なぜ必要なのか、だれにとって便利なのか、どんなふうに役立つのかを、ぜひこのシリーズを読んで調べてみてください。

 思い込みや固定観念にとらわれがちな大人より、好奇心旺盛で多くのことに興味を持つ子供たちの方が、もしかすると理解が早く、いざという時の行動も早いかもしれません。そうしたことが広がるとさまざまな方が暮らしやすい社会に近づくのでなないかと感じました。このシリーズに興味を覚えた方は是非、この下に掲載したリンクをご覧ください。

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