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ストーマ用品メーカーも支援するパラリンピアン

パラリンピックの開催が来週に迫ってきました。オリンピックのときと同じように、新型コロナウイルスの影響が心配ですが、大会が開かれることにワクワクもしています。
本記事では前回に引き続き、パラリンピックついてレポートしていきます。今回はパラリンピックに出場する条件と、私の独断で注目するパラリンピアンをご紹介します。

目次

パラリンピックに出場するためには

パラリンピックに出場するには、競技団体への登録や大会への出場などさまざまな条件があります。細かいものを含めると多数存在するので、ここでは重要となるふたつの条件を説明します

競技によって対象となる障害が異なる

ひとつは、対象となる障害です。競技によって参加資格のある障害は異なっています。
たとえば、車いすバスケットボールは脚に関する障害が条件です。逆に、テコンドーですと腕に関する障害が条件になるので、脚のみの障害では参加資格がありません。また、視覚障害を条件にしている柔道などもあります。
ちなみに、国内大会では障害者手帳を持っていれば出場資格が得られますが、パラリンピックのような国際大会では、細やかな障害基準が厳密に定められています。

さまざまな大会の成績で選考される

もうひとつは、パラリンピック以前の大会成績です。
世界選手権や国際大会で優秀な成績を残すことが求められます。こちらも競技によって、評価のされ方や該当する大会などが異なっています。該当する大会の成績によって出場できる選手がランキングされ、大会規定の人数内に入っていれば出場できる確率は高くなります。
たとえば陸上競技ですと、2019 Dubai WPA 世界パラ陸上競技選手権大会で 4 位 以内入賞などが評価対象です。

東京都「パラリンピック 選手発掘BOOK」(アクセス:2021/8/19)
一般社団法人 日本パラ陸上競技連盟「2020 東京パラリンピック競技大会の日本代表推薦選手の選考について」(アクセス:2021/8/19)
日本視覚障害者柔道連盟「パラリンピックへの道」(アクセス:2021/8/19)

注目選手1 北薗新光選手(柔道)

アルケアHPより転載

ひとり目の注目選手は、アルケア所属の北薗新光選手です。ロンドンとリオにて、2回のパラリンピックに出場しています。

北薗選手は幼少期から柔道をはじめ、高校卒業までは健常者として生活していましたが、大学在学時に視覚障害が見つかり柔道を続けるか悩んでいました。そのとき恩師に「やってもいいしやらなくてもいい。君の人生だから自分で決めな」と言われ、視覚障害者柔道への転向を決意しました。
そして大学2年生のとき、トルコで行われた世界選手権に初の国際大会として出場します。その後、社会人になり仕事をしながら柔道を続けるが、ほぼ練習ができていなかったと言います。しかし、2014年の世界大会での初戦敗退を機に「もう一度、ガチで柔道をやりたい」と思い、2015年にアスリート雇用でアルケアに入社しました。

柔道に集中した成果が表れたのは2016年のリオ大会。73kg級で5位に入賞します。そして直近では、IBSAアジアオセアニアチャンピオンシップで男子81kgで銀メダルを獲得しました。

北薗選手は、障害者柔道に転向して約10年が経ちました。障害が見つかり柔道を続けるか悩み、社会人になってから挫折を味わいました。その後覚悟を決め、アスリート社員として柔道に取り組んできた北薗選手にとって、本大会が集大成となり得るのではないでしょうか。

アルケア「パラアスリートとともに」(アクセス:2021/8/19)

Sports for Social「視覚障害柔道・北園新光の柔道人生を支える恩師の言葉と柔道ノート」(アクセス:2021/8/19)

NHK 東京2020パラリンピック「第49回 北薗新光(柔道)「2015年、覚悟のリスタートから」(アクセス:2021/8/19)

注目選手2 川原凛選手(車いすバスケットボール)

コロプラストHPより転載

ふたり目の注目選手は、コロプラストがアスリート支援をするローソン所属の川原凛選手です。直近の戦績は、三菱電機ワールドチャレンジカップ2018で優勝、インドネシア2018アジアパラリンピック競技大会で銀メダルを受賞しています。

川原選手は、生まれつきの脊髄腫瘍による下半身まひのため、幼いころから車いす生活をしていました。中学生のとき、車いすバスケの漫画や実際の試合に影響され、高校進学後に車いすバスケをはじめます。在学時に「もっとレベルの高いところでやってみたい」と思い、地元長崎を離れ千葉へ移転し、千葉ホークスに入団しました。
入団当初は趣味の範囲であったそうですが、2016年の男子U23世界選手権の候補選手に選出されたことを機に、競技としてのめり込んでいきます。三菱電機ワールドチャレンジカップからはA代表として出場し、それ以降一度も12人のメンバーから外れない活躍をしています。

日本のパラリンピックでの最高成績は2008年北京大会の7位です。川原選手の活躍とともに、本大会でメダル獲得に至るか要注目です。

長崎新聞「東京パラでメダル取る 車いすバスケットボール 川原凜」(アクセス:2021/8/19)
コロプラスト「アスリート支援」(アクセス:2021/8/19)
バスケットボールキング「【車いすバスケリレーインタビュー 男子Vol.12】 川原凜「不気味さを漂わせるプレーで世界に挑む」」(アクセス:2021/8/19)

番外編 オストメイトのアスリート(パラカヌー)

一般社団法人 日本障害者カヌー協会HPより転載

本大会は惜しくも出場を逃しましたが、オストメイトのアスリートがいました。同じくコロプラストのアスリート支援を受け、トヨタすまいるライフにアスリート雇用で働くパラカヌーの加藤 隆典選手です。直近の主な実績は、2019 パラカヌー海外派遣最終選考会でカヤック、ヴァ―の2 種目で優勝しています。

加藤選手は今年で41歳です。2006年スノーボードの事故で「両下肢機能全廃」になり、車椅子生活となりました。また、クローン病も患っていたため、同時にストーマを増設してオストメイトになります。
障害を持つ前からスポーツを嗜んでいたので、2016年よりパラカヌーをはじめます。そして、1年を過ぎるころには日本代表選手に選出されるまでになり、2018年アジア選手権ではカヤック6位、ヴァ―で2位の戦績を収めました。

加藤選手は、ハンガリーで開催された東京パラリンピックの最終選考会のワールドカップに選出され、出場しました。この大会は選手選考をするうえで重要なものでしたが、残念ながら予選で敗退してしまいました。
しかし、競技をはじめて浅い年数で、多くの結果を残しています。今後も注目してきたいオストメイトパラリンピアンなのは間違いありません。すでに2024年のパラリンピックに向けて動き出しています。

加藤選手のFacebook
加藤選手のInstagram

READY FOR「【目指せ東京パラリンピック】パラカヌー加藤隆典選手応援プロジェクト」(アクセス:2021/8/19)
一般社団法人 日本障害者カヌー協会「競技」(アクセス:2021/8/19)
中広「フリモかわら 2019年11月号Vol.68」(アクセス:2021/8/19)

まとめ

今回のパラリンピックでストーマ用品メーカーもアスリート支援をしていたり、オストメイトのパラリンピアンがいることをはじめて知りました。
NHKの東京パラリンピックの特設サイトで、さまざまな情報が手に入るので、開催までに予習するのもいいかもしれませんね。 

NHK「東京2020パラリンピックサイト」(アクセス:2021/8/19)

 

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