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一時ストーマでも生活は一変した。経験を生かしストーマ関連の仕事を——日本オストミー協会 愛知県支部 三富彰太×エムアクト 神戸翼【前半】

病気や事故、歳を重ねることなどで、生活環境や体質が大きく変わることが往々にしてあります。それはオストメイトをはじめとして、多くの人に「変わらざるをえない」状況をつくり出すのかもしれません。

一時的にストーマを造設し閉鎖はしても、その後も排便に気を遣うという人もいます。一時ストーマの経験からストーマ関連製品の販売店で勤務する、日本オストミー協会 愛知県支部の三富彰太さんにお話を伺いました。

目次

ゲスト紹介

三富さんから簡単に自己紹介をお願いします。

三富彰太と申します。僕自身は一時ストーマでいまはオストメイトではありませんが、オストメイトだった経験をもとにオストメイトの方のお役に立ちたいと思っています。いまは患者会に「も」入って活動をしています。よろしくお願いします。

三富さんはいま富山県に在住とのことですが、出身も富山県なんですか?

出身も富山県です。大学進学のときに愛知県に引っ越し、そのまま就職をしました。そのときに直腸カルチノイドでオストメイトになりました。
その後、自分の体験を活かせる仕事をしたいと思い、実家のある富山県でストーマ関連製品の取り扱いをしている会社で営業職をしています。

ありがとうございます。早速、オストメイトになった経緯を発覚のタイミングからお話しいただけますか。。

発覚

前職の会社で健康診断を受けたとき、少量の血便の結果が出たので内視鏡の検査を受けました。その際にポリープが出来ているので切除しました。悪性ではなかったのですが、直腸カルチノイドという診断でした。
 
結局、取り切れておらず、その後血管まで達しており、医師は「リンパ節まで達したら命に係わる。若いので取った方がいい」との事でした。
そして手術をすることにしたのですが、ポリープの切除後に縫合不全が起こった場合、便が漏れて腹痛が起こったり不具合があるとのことだったので、より安全な方法ということで一時的にストーマを付けることにしました。

三富さんは一時ストーマということですが、皆さんイメージしづらいと思うのでお聞きします。一時ストーマとは、一回ストーマを造設するけれど、またそれを元に戻すということでいいんですよね?

はい、そうです。

ありがとうございます。実際の手術や治療はどのような感じでしたか?

治療と手術

手術は大腸がんの方と一緒で、ポリープが直腸・肛門の近くに出来ていました。腹腔鏡手術をした場合、骨盤内で前立腺などを傷つけてしまうと前立腺不全になるリスクもあります。
なので、一番リスクが少ないダヴィンチ手術を行うことになりました。運が良かったことに、手術の主治医がダヴィンチ手術を得意としていたんです。
 
がんは医療費の自己負担のないものもありますが、僕の場合は実費で300万円ほどかかります。ただ、たまたま担当の先生ががん以外にダヴィンチ手術をしていたので手術費は70万円ほどで、保険でなんとかなる金額でした。後々のことも考え手術することに決めたんです。

ありがとうございます。
ダヴィンチとは手術ロボットのことですよね。遠隔医療などでよく出てきます。となりますと、その先生はオペ室には入っていなくて別の部屋から手術をしているのですか?

そうですね、モニターを見ながらロボットを操作してました。麻酔ですぐ眠ってしまったので、詳しくは覚えていないのですが。

私もダヴィンチを受けた方のお話しを聞くのは初めてなので、興味が出て聞いてしまいました。
続けて、入院中について教えていただけますか。

入院中

入院中にオストメイトになったのは、手の感触であるなと知りました。人工肛門になると説明を受けてから手術をしたのですが、相談はできなくて、インターネットで調べていました。手術後の生活はこれまで通りできるのかが不明確で、前日は全然寝れず不安な気持ちでいっぱいでした。
手術が終わり、不安しかなかったです。お世話をしてくれるのは年下の看護師さんなので、不安な気持ちを相談するのも難しく。一人で抱え込むことが続いていました。ただ、対応してくださった看護師さんたちは、ありがたいことに前向きな方ばかりだったんです。装具を貼るのに失敗しても「大丈夫ですよー」と優しく接していただいたので、「大丈夫なんだ」と前向きな気持ちになりました。

入院中は4人部屋で、年配の末期がんの方がいらっしゃいました。その方は「病気になってよかったな」と。その方が末期がんだと把握してたので、返す言葉がなかったです。
なかなかそのように思えないですが、入院中でしか出会えないその言葉に巡り会ってよかったと思います。病気になって色々な人と出会って、「これまでのやり方や考え方じゃいけない」と学び、見直す機会になりました。

退院後(外来受診)

退院後の外来受診に関してお聞きしたいと思います。

退院後、ストーマを付けていたのは3か月ほどで、2回受診しました。ありがたいことに肌トラブルはありませんでした。
ストーマを外したあとの生活では、排便の回数が1日に60回ほどになりました。たとえば、トイレから出た後にその場で催したり、寝ているときに催して目が覚めてトイレに駆け込んだり。あるときは就寝中の1時間に数回あることも。
当時は、会社と家との往復以外は、トイレの前に座っているという生活でした。直腸を30センチほど切っているので、いまも便を貯めることができないらしく、催すとすぐ出てしまうのでオムツを着けて生活しています。

まず聞きたいのが、退院して通っていたのはストーマ外来でしたか?

ストーマ外来と普通の外来に行きました。ストーマ装具を外して肌やストーマの状態を見てもらいました。

ちなみにストーマ外来では先生が見るのではなく、WOCナースさんが見ていたのですよね?

そうですね。

ありがとうございます。一時ストーマを閉じたあとは外来にかかっているんですか?

そうですね、実際に富山のほうに紹介状を書いてもらいまして、3カ月に1回ほど引き続き見てもらっている状況です。

そうですよね、手術をしたのが愛知県だったので、紹介をいただいて富山で見てもらっている状況ですね。
また、一時ストーマを閉じた後に排便の回数が非常に多いとのお話がありましたが、当時どのような感じだったんですか?

一度催してしまうと、うさぎのうんちみたいにチョロチョロと出て、踏ん張っても出ないんです。そこでトイレを出たら、また催してしまうというのを繰り返してました。これは個人差があるらしく、僕以上に頻度が多くなる方もいれば、徐々に回数が少なくなっていく方もいるそうです。また、改めてストーマを造設する方もいるそうです。

ありがとうございます。
また、オムツのお話ですが、永久ストーマの方は障害者手帳などでさまざまな支援があります。オムツの場合は給付の対象はあるのでしょうか?

オムツもあるにはあるらしいのですが、手術をしたドクターの診断書が必要なんです。僕の場合は愛知県だったので、そこまでの交通費が高かったり、ある程度の金額を超えないと補助されなかったりするので、いまは自己負担です。

ちなみにオムツ以外のところで、衛生用品など使うとかもないんですか?

そうですね、いま仕事中で使っているのはオムツと赤ちゃん用の水洗オムツ拭きくらいです。それと泡石鹸など洗浄できるものを持ち歩いています。実際、何回か催して我慢できずにということがあるので、そういったものを持ち歩いて生活をしています。

ありがとうございます。
オストメイトになった経緯の最後のご質問で、医療者へのメッセージがありましたらお願いします。

医療者へのメッセージ

オストメイトと違うところですが、コロナ禍でお仕事していただいて本当に感謝の気持ちでいっぱいです。僕自身オストメイトになったとき、先生や看護師さんに温かく接していただいたことにも感謝です。

日常生活について

仕事

生活のテーマに移りたいと思います。どのようなお仕事をしていらっしゃいますか?

はい。現在は自分の体験を生かせることということで、出身の富山県でストーマ関連製品の取り扱いをしている会社で営業職に就いています。
仕事内容は、ストーマを造設後の方に面談をしています。日常生活用具給付の申請方法やストーマ装具の注文方法などの支援を業務としています。
原疾患はさまざまなので、オストメイトになったことやストーマに対して、不安な気持ちを解消できればと思っております。

しかし永久ストーマの方に自身の経験を直接伝えるのは、根拠なくストーマ閉鎖しようと考えたり、ねじれて伝わったりすることが懸念材料としてありました。なので、友人や知人の事例ということでお話ししています。オストミー協会やオストメイトの情報をご案内したり、こんな当事者がいるよとお伝えしたりしています。
そこで「ちょっと楽になったよ」などとおっしゃっていただけて僕自身の存在意義といいますか、この仕事をしていて良かったと感じています。

三富さんはストーマ関連製品の販売店なんですね。
前職から現在のストーマ装具の販売店で働く経緯をお聞きしてもよろしいですか?

大学卒業後、当初は畑違いの営業をしていました。ツナギを着てヘルメットを被っている営業職でした。会社はものづくりをしていまして、工場にものを取りに行くことも多かったんです。
病気になったとき会社にとても気を遣ってもらいまして、内勤職に異動しました。ただ、ストーマ装具にガスが溜まるため、トイレに行く回数が増えました。

内勤職では工場に行く機会は少なかったのですが、しばらくして行く機会がありまして。冗談なのは理解しているのですが、本社の営業さんが工場で「三富、トイレばっか行っている給料泥棒」と言っていたみたいで。
 
久しぶりに工場に行ったとき「おお、来たな給料泥棒」と本当に軽いノリで言われました。そのときの心境というか「そんな風に思われてるんだ」と思ってしまいました。
僕も相手に「ちゃんと稼いでくださいよ」と言えたはずですが、当時の気持ちではちゃんと言えなかった。

その後、患者会が開催している相談会に参加して、その場で患者会に入りました。そこでいろんな方のお話を聞いて、こういったところを仕事に活かしたいと思うようになりました。たまたま出身である富山県でストーマ装具の取り扱いしている会社で営業職を募集していたので、そちらの会社に転職をさせていただきました。

壮絶というか、いろいろありますね。。。

そうですね。。。
やはり自分がそういう立場になってみないとわからないことなんですよ。見聞きしても体験してみないと理解できない部分がある。思い出話ではないですが、こういう経験があってこそだと思います。

お風呂

ありがとうございます。続けてお風呂に関してです。
一時ストーマのときと、いまの状態のことをお話しいただければと思います。

僕は公衆浴場や温泉などの大きいお風呂はすごい好きなんですが、一時ストーマのときは行けませんでした。
というのも自身のことより、浴場でパウチを見たときに相手が嫌な気持ちになるんじゃないかと、そういうことばっかり考えてしまいました。お風呂は3カ月間行けなかったんです。

いまもお風呂好きで行きたいと思うんですが、催してしまうとすぐ出てしまうので控えています。どうしても行きたい場合には、中に入ってなければ出るものがないので、前日からご飯を食べずに行きます。
これは通常の仕事をしているときも同じです。大事な会議や打ち合わせがあるときも、その日はご飯を食べずに、イベントが終わってから食べるということをしています。なので、お風呂に気軽に行くことはできない状態です。

そうですね、いろいろな考えがあると思いますが、人の目というものがありますし、気持ちの面を考えると難しいところがあるということですね。

前半はここまでです。
後半は、ノルディックウォーキング、ストーマ装具、オストメイトになって得られたことなど、三富さんの具体的なお話をお届けします。

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この記事を書いた人

ライター//元広告の営業職/NPOの発足から携わって8年目。みなさまの意見が日々の糧になります。

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