今回ご紹介する書籍は難病患者として、またオストメイトとしての生活を描く「腸よ鼻よ」の7巻です。著者は潰瘍性大腸炎を原疾患としてオストメイトになった島袋全優さんです。闘病コミックエッセイですが、ギャグシーンが多いので暗くならずに読めると思います。
本書の書評
6巻の最終ページ付近で「内臓の手術をしてしまうと他の病気を起こしてしまうことがある」とモノローグがありました。そうです、みなさん経験のある方もいらっしゃると思いますが、7巻の冒頭から著者が退院直後に腸閉塞を起こして入院してしまうのです。そしてすぐに腸閉塞の手術を行うことになりました(閑話休題:その後担当医が胃潰瘍で同じ病院に入院していました)。
退院後に再度入院してしまうのは、内臓系の疾患の方はよくあるのかもしれません。ですが、このあとに担当の漫画編集者から闘病エッセイを書いてみないかという打診がありました。もしかしたら、本署「腸よ鼻よ」のことかもしれませんね。
手術後、腸が動き肛門から排泄することに激しい痛みを感じます。そこでモルヒネを処方します。また、痛みを緩和するために精神科にも通います。難治性瘻孔の治療をしながら、並行して精神科にかかることもあるそうです。
その後、治療のために他県の三重県の病院に転院することになります。ここで縫合不全を起こしているため「ドクターA」により、再びストーマを造設することになりました(縫合の傷口を休ませるため)。また、この漫画ではお馴染み?のストーマをつくるとでてくる「クデケンさん(WOC)」と一緒にパウチゲームという名のパウチの取り付け練習を行います。2度目で簡単に取り付けられると思いきや、ストーマは造設するごとに形や状態が異なるため、うまくいきません。しかし母の協力があり、なんとか乗り切ります(ストーマの家族理解ともつながる)。
その後、痛みをコントロールするために麻酔科の「ドクターY」にお世話になります。そこでせん妄と思われる症状が起きていたそうです(医療用麻酔を3種類ほど使っていることが原因だと思われる)。
ストーマを閉鎖して退院し、入院はせずに通いながら治療をしていた前巻から、突然の腸閉塞発症となった7巻でした。再手術のため沖縄県から新天地の三重県での治療がはじまりました。さて、次回はどのような展開になるのか予想できません。
本書のもくじ
- 74指腸 拷問じゃねーかコレ
- 75指腸 コッチから出るのは悪いんだよ
- 76指腸 コレで婚期逃すと思います
- 77指腸 フィクションでしか見たことない
- 78指腸 まさか私がそんな…
- 79指腸 治療と書いて特殊プレイと読む
- 80指腸 あの小さい1本で100キロカロリー
- 81指腸 可愛いは生みだす
- 82指腸 県外は飛行機
- 83指腸 正確にはポンパドール
- 84指腸 強引さは必要
- 85指腸 出張してきたんか〜Second〜
- 86指腸 みえるひと
- 87指腸 減るのは薬だけでいい
- 書き下ろし漫画 ずっとシモの話
書籍情報(本書記載内容より)
- 発売日:2022/9/15
- 著者: 島袋全優
- 発行所:KADOKAWA