MENU
購読(LINE友達登録)

オストメイトの生活実態調査報告書

目次

第9回オストメイト生活実態基本調査報告書

 日本オストミー協会(以下、「JOA」と表記)が定期的に実施してきた、オストメイトの生活実態やニーズを把握し、その生活向上を図る活動の資料とするための生活実態調査報告書。前回の2017(平成29)年調査以来となる今回の2021(令和3)年調査は、コロナ禍という特殊な状況下であり、オンライン回答のシステムも初めて取り入れられました。

 有効回答として回収されたのは3930部で、初めて会員よりも非会員の回答数が上回り、オンラインでの回答は全体の41%を占めました。この調査の実施にあたって、コロプラスト本社(デンマーク)の補助金(Access to Healthcare Partnership Program)の支援を受けたそうです。

 ↓ 「第9回オストメイト生活実態基本調査報告書」はこちらから

オストメイトの属性

 オストメイトの男女比率は約3:2で、過去の調査でもほぼ一定、概ね大きな変化はないようです。ストーマ種別については、コロストミー(結腸人工肛門)の相対的比率は今回初めて6割を切り58.1%となりました。逆に、イレオストミー(回腸人工肛門)については増加傾向にあります。コロストミーについては、手術用器具や手術手技の進歩によって直腸癌に対する肛門温存術の頻度が増加し、直腸癌全体で、ストーマ造設術(永久)が行われる率は近年減じたとの報告があるそうです。現状でのコロストミー、ウロストミー(人工膀胱)、イレオストミーおよびダブルストーマの種別比率は8:3:2:0.5となっています。

 永久ストーマか一時ストーマかについては、永久ストーマの割合が92.7%で、回答者のほとんどが永久ストーマの保有者です。種別ではイレオストミーにおいて、一時ストーマの割合が他の種別と比較して多いことがわかります。

 全体の平均年齢は70.0歳で、JOA会員の平均年齢に比して低い年齢のようです。回答者の平均年齢を会員と非会員別に算出すると、会員は72.4歳、非会員は67.9歳となり、回答方別で算出すると、WEBでの回答者の平均年齢は64.7歳、紙回答は73.8歳となります。今回の調査には相対的に若い非会員の参加があり、かつWEBでの回答システムを取り入れたことから、ネット環境に慣れた世代の回答も集まって、この平均年齢となった可能性があるそうです。

 ストーマ種別における70歳以上の高齢者割合は、コロストミー60.5%、イレオストミー34.0%、ダブルストーマ51.5%と低下傾向にあるのに対して、ウロストミーだけは65.2%とわずかながら上昇しています。

 手術後の経過年数については、前回調査で最多であった「20年以上」の割合が大きく低下し、「3年未満」が最多、次いで従来から比率の高い「10~20年未満」でした。今回の調査では、コロナ禍でストーマ保有者となった、術後経過の浅いオストメイトの声が、例年より多く反映されているようです。

 そんな注目の第9回オストメイト生活実態基本調査報告書。次回は、ストーマ装具交換や入浴、ストーマケアなどについての回答結果をご紹介します。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
URLをコピーする
URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次
閉じる